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研究風景電気泳動によるタンパク質の確認

 電気泳動には、いくつかの種類がありますが、もっとも一般的なのは、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)です。SDS-PAGEでは、タンパク質を分子量の大きさによって分離し、含まれているタンパク質の種類などを確認することができます。

食肉には数十種類ものタンパク質が含まれていることから、タンパク質を対象とした研究も盛んに行われています。加工などの処理によって含まれるタンパク質に変化があるかどうかを確かめる研究、または特定のタンパク質のみを抽出し、その性状や機能について調べる研究などがあり、そのような研究においてSDS-PAGEはもっともよく使われる実験方法のうちの一つです。

SDS-PAGEでは、アクリルアミドという物質を重合させ固めたゲルに、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)で処理したタンパク質サンプルを重層し、通電させることで、ゲル内でタンパク質ごとに分離できます(詳細な原理は実験書やウェブサイトにも記載があるので、そちらをご覧ください)。泳動後はゲルを染色することで、分離されたタンパク質を可視化できます(図1)。

また、図2の写真のように、実験には細かい作業も必要となり、研究を始めたばかりの学生にとってはなかなかの鬼門です。ゲルが固まらない、染色してもタンパク質が見えない(またはぼやけている)、などのミスは、誰しもが一度は通る道(?)です。きれいな泳動像が得られれば、実験操作は一人前と言えるかもしれません。

 

(北海道大学・早川)