食肉用語の解説ソーセージ

ひき肉に脂肪、調味料などを混ぜ合わせて、腸などのケーシングに充填した食肉製品の総称で、様々な種類があります。家畜・家禽肉以外にも血液やレバーなどの各種可食臓器を使用することもあります。長期保存がきくドライソーセージや、焼いたり茹でたりして食べるソーセージ、パンなどに塗って食べるソーセージなど多様です。ヨーロッパでは、都市や地域名を冠した様々な種類のソーセージがあり、伝統的に製法が守られ、作られ続けています。ケーシングには、牛腸、豚腸、羊腸、胃または食道などの天然物以外に、再生コラーゲンやセルローズで作られたフィルム、合成フィルムなどが用いられます。

家畜をと畜・解体して、保存目的のためにハムやベーコンなどの大型の単味品を製造した余りの肉や、血液、各種可食臓器などを細かく切って混ぜ合わせて、胃や腸、食道、膀胱など、袋状になるものに詰めて作られたと考えられています。古代ギリシアの長編叙事詩であるホメロスの「オデュッセイア」(紀元前8世紀頃)にすでにソーセージの記述があり、有史以前から存在しているため、ソーセージの起源は定かではありません。

我々日本人はソーセージを好み、食肉製品の生産量のおよそ半分がソーセージ類で、その内70%強をウインナーソーセージが占めます。我が国では、各種ソーセージの名称は、消費者庁が所管する品質表示基準において定義されてます。主なソーセージの特徴を下表に示します。

 

表 我が国における主なソーセージ類とその特徴

名称 主な特徴
ウインナーソーセージ 羊腸を使用、または製品の太さが20 mm未満
フランクフルトソーセージ 豚腸を使用、または製品の太さが20 mm以上36 mm未満
ボロニアソーセージ 牛腸を使用、または製品の太さが36 mm以上
リオナソーセージ 種もの(野菜、穀粒、チーズなど)を加えたもの
ドライソーセージ 加熱しないで乾燥し、水分が35%以下
セミドライソーセージ 水分が55%以下
レバーソーセージ レバーが原材料の50%未満
レバーペースト レバーが原材料の50%以上
加圧加熱ソーセージ 120℃、4分間加圧加熱、またはこれと同等の加熱したもの
無塩漬ソーセージ 原料肉、原料臓器等を塩漬していないもの
混合ソーセージ 魚肉および鯨肉が原材料の15%以上50%未満
魚肉ソーセージ 魚肉および鯨肉が原材料の50%以上

(北海道大学 若松純一)