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食肉を学びたい人へ第1回 帯広畜産大学 畜肉保蔵学研究室

帯広畜産大学における食肉研究は、昭和24年に近藤健次郎教授(肉製品研究室)により始まりました。以降、伊藤安教授、森本明教授、三浦弘之教授(この時から現在の畜肉保蔵学研究室となる)、三上正幸教授、関川三男教授と引き継がれ、平成28年2月1日現在、島田謙一郎准教授筆者(助教)との二名体制で研究指導を行っています。現在の畜肉保蔵学研究室は、畜産科学課程の食品科学ユニットに分類され、在籍する学生数は例年十数名程度(大学院生:数名、学部生:十名前後)です。

研究室のある総合研究棟Ⅲ号館

研究室のある総合研究棟Ⅲ号館

島田准教授は、牛肉および豚肉の肉質評価・分析や地域素材を利用した食肉製品の開発を主な研究テーマとして扱っている。試料となる牛肉や豚肉は、例えば地域の食品素材を活用した飼料によって飼育されたものであったり、または地域の風土を生かした飼育方法によって生産されたものであったりと、北海道、特に帯広が位置する十勝管内に根付いた研究に取り組んでいます。さらに近年は、早期出荷された日本短角種や黒毛和種の肉質評価を行い、増体による収入増を狙った過度な飼育期間延長による影響についても精査するなど、畜産業界が抱える諸問題の解決にも取り組んでいます。

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本学の実習工場(平成25年度より稼働)

一方、筆者は生化学的手法を用いた食肉の有効活用に向けた研究に取り組んでいます。主なテーマは、食肉タンパク質の水溶化技術の確立です。これは、食肉に含まれるタンパク質の大部分が水に溶けない性質であり利用性に乏しいことから、食肉タンパク質が水溶化される条件やそのメカニズムを解明することで、食肉の食品素材としての利用性向上を目指したものです。このほか、筋肉から食肉への転換の起点となる死後硬直や熟成の現象解明にも取り組んでいます。

また、ゼミは食品栄養学の研究室と共同で実施し、食品として食肉を捉えるだけでなく、食品科学の基本である栄養学の観点からも理解を深め、所属学生には幅広い視点から食肉について学び考えてもらえるよう指導しています。

(帯広畜産大学 早川徹)

作成日:平成28年3月16日